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なんでもポジティブに捉えるサッカー記録です^^ レフティやクセのある選手に注目しています。

アルテタ監督の二年間を振り返る-② 〜暗から明へ、再建へ尽力する新米監督〜

①でアルテタ監督の就任から当時のチームについて少し書いた。②はそのチームからアルテタが導き出した打開策からを書いていく。

  • 歪んだスカッド
  • 引き止めたジャカ
  • リアリスティックなアルテタ
  • 勝ち得たタイトル

〜歪んだスカッド〜 

この当時のアーセナルエジル・オバメヤンらが引っ張り、ゲンドゥージのような若手選手が出てくるような状況だった。前シーズンにはチェフ・ラムジーモンレアルらが抜け、若手と中堅とベテランのバランスも悪く、このチームはだれがまとめ上げるのかというのが疑問視されていた。そんな中引き受けたアルテタはまずこの問題を解決するところから取り組んだ。2年前のスタメンと最近のスタメンで同じ選手はジャカ・ラカゼット・そしてポジションはレフトバックだったサカ。オバメヤンもそのような類の選手になる予定だったが、残念なことにスカッド外になっている。ベンゲル政権の末期から続いていたスカウティングされているのか疑問な選手や中途半端に伸び悩んでいる選手を一掃して、自分の思う選手を集めたいのは当たり前だ。ゲームのようにはいかないので現在進行形でこの問題の解決が進んでいる。サカ・ウーデゴール・スミスロウ・マルティネッリ、この四人を筆頭にアーセナルを牽引する若い力を伸ばしているのは彼の手腕でもある。この当時、エメリ監督をうまく利用し自分をよく見せていたエジルはクラブにとってアンタッチャブルな存在になっていた。そんな彼もクラブを追われることとなる。詳しくは明かされていないが、現役時代同じチームでプレイし熟知した彼がチームから外に移籍させたのではないかと想像している。誰にも同じように厳しく接するのがアルテタの良いところである。

〜引き止めたジャカ〜

エメリ政権下でキャプテンを任されていたジャカがチームのパフォーマンス低下と共にサポーターから避難を浴び、交代時にサポーターのブーイングに応えるかの如く煽り、キャプテンを外された。そしてその冬にヘルタベルリンへ移籍するのでは?と取り沙汰されていた。が、ここでアルテタが彼を引き止めるように説得した。お世辞にもアーセナルへ来てからのパフォーマンスレベルがいいとも言えない彼を移籍して換金するべきと唱えるサポーターも多かった。彼のキャプテンシーなどチームの模範的な存在として彼をアルテタは説得し、チームに残留させた。そんな中でも退場したり、非難を浴びる存在になることもあるが以前ほどではない。(それでも危険なタックルはおやめいただきたい笑) The Athleticのインタビューでも答えていた中身を見ると彼が残留してくれてよかったなと思う。

〜リアリスティックなアルテタ〜

彼といえば4-3-3という理想があるが、そんな彼も現状のスカッドを見て適性を考えると攻めに比重を置くより守備を大事にしてカウンターをすることが理に適っていることを考え始めたのは19-20のアウェイのセインツ戦からか。3-4-3でバック3のティアニーが時にはサイドバック、時にはセンターバックをこなす可変システムがハマった。守備でブロックを作り、相手を誘き出しカウンターを炸裂させる。その総仕上げするのがオバメヤンだった。非常に理に適ったサッカーでここまで現実主義になれるアルテタに驚いた。私もここまで守備をきっちり守れるアーセナルを作れるとは思わなかった。ダビルイスのキャプテンシーも生かし、バック3が少しずつ安定し勝ち点を拾えるようになった。その後、リーグ戦のリバプール戦、FAカップのマンシティ戦にこの戦術で勝ち、チームは自信をつけていく。そして迎えるのがFAカップ勝戦チェルシー戦。

〜勝ち取ったタイトル〜

この試合と勝たないとヨーロッパの舞台への道が閉ざされるアーセナルランパード監督の元、若手の力が伸びてきたチェルシーとの対戦。チェルシーの方が個人能力も高く、下馬評はチェルシーの方が上だった。そして先制点を取られ厳しい展開に追い込まれる。その後オバメヤンのPK、そしてオバメヤンのチップシュートで勝利をもぎ取った。アルテタ監督、初タイトルとなり今後への期待感が膨らんだ。支配率は40%対60%。今までのアーセナルだと我慢し切れずに失点し負けていたような試合をものにしたことでこれからの未来が明るく照らされていると期待に胸を躍らせたサポーターも数多くいたはず。ちなみにこの時のスタメンの平均年齢は28.2歳だった。この後行われたコミュニティーシールドPK戦で勝利をし、アルテタは就任半年少しでタイトルを二つ獲得した監督として20-21シーズンを迎えることとなる。

とここまでで19-20シーズンの暗い世界から明るい世界へと向かうアルテタ政権下のアーセナルについて振り返ってみた。この優勝からもっと強くなる、他のチームに追いつけると思っていた。が、よくよく考えるとカップ戦の一発勝負で勝っただけでリーグ戦を勝ち抜くスタミナはついていなかった。そしてこの期待が膨らみすぎたせいでアルテタは監督人生の危機にさらされることとなる。あの時は色々辛いコメントを見たりして心が痛かったのを覚えている。もう一度暗い世界に入り、そこから浮上のきっかけを掴むところを③にまとめたい。

この章も読んでいただきありがとうございます。