【まさにハチの一差し】21-22シーズン セリエA 24節 Atalanta VS Cagliari
〜はじめに〜
上位陣を追走するアタランタ。少しずつ主力が戻りつつあるホームチームが迎えるのは年明け2勝1敗1分と好調なカリアリ。マッツァーリ監督がこの試合で採用した5-4-1。このフォーメーションに対してミラーゲームで臨むと思っていたアタランタが採用したのは4-5-1。これがどういう試合にするのかとても楽しみだった。特にアタランタといえばバック3。センターバックの右と左が果敢に攻め上がる攻撃的なサッカーが持ち味なので新鮮味があるバック4も楽しみであった。
〜試合概要〜
前半の頭から押し込むアタランタ。サイドバックの追い越しもスムーズでボールを握る時間が増える。だが、決定的なところまで持ち込むに至らない。サイドを抉ったとしても中への折り返しのボールは単調でカリアリとしては守るのは容易であった。スコアレスドローで折り返した後半5分にガストンペレイロがVARチェック入りながらも先制ゴール。その後に裏へ抜け出したガストンペレイロをスライディングで止めてしまいレッドカード。10人での戦いを余儀なくされたアタランタだったがセットプレイの流れからパロミーロが決めて同点。この勢いに乗ることができずカウンターからベッラノーバのクロスにガストンペレイロが合わせ勝ち越し。パワープレイに出るアタランタであったが、同点に追いつくゴールを決め切ることができなかった。アウェイチームが大金星を上げる形となった。
〜ギアがあがらないアタランタ〜
最近のリーグ戦で勝ち点を落とすことが多くなったアタランタが採用した4-5-1のフォーメーション。これ自体はうまくいっていたと思う。サイドバックとサイドハーフの意識が統一されていて、サイドバックがサイドハーフを追い越す動きがチームを助けていた。現にマリノフスキのミドルショットを打つシーンがそれを象徴していた。クラーリョが素晴らしいセービングで防いだのだが、彼を一番脅かしたシュートはそれだった。パロミーノが同点ゴールをあげここから反撃!というところで失点してしまったのももったいなかった。
ボールスピードも一定でパスミスが多くリズムが作りきれていなかった。ショートパスが多くなって単調になったチームを変えようとしていたのがコープマイネルス。彼のロングパスから相手陣内へ押し込んだ攻撃がみれていたのがポジティブな点だったが、チーム全体としてはそのやり方をあまり考えていなかったように思える。
〜まさにハチの一差し〜
今日のカリアリはワンチャンスをものにした素晴らしい例だ。ブロックをきちんと敷いて、相手を迎え撃ち、必要な時は相手を囲む。そうしてマイボールにしてカウンターなどビッグチャンスにつなげていた。毎節彼らをみているわけではないので、全てはわからないがミラン戦のように防戦一方でやられるチームからは変わっていた。それが年明けからの好成績につながっている。数少ない決定機をものにしたガストンペレイロは本当に素晴らしい。簡単なように見えて難しいシュートを難なく沈めた彼は残留のキーマンになる。
〜最後に〜
CL圏内を狙うアタランタにとってはかなり大きな敗戦となってしまった。もちろんこれで終わったわけではないが、アタランタらしい攻撃力が鳴りを潜めている。ムッソが退場したシーンもチーム内のバランスの悪さが生んだものだと思うので早い目に修正してもらいたい。この試合でも後ろからの繋ぎの部分で怪しさが出たムッソ。もちろんショットストップはトップクラスだが、それ以外をもっと向上させないと上位へ行くことは難しいかもしれない。
単純なパスミスやイージーミスが最近目立つアタランタ。シンプルに攻撃的なサッカーをするチームとすれば、リズムが悪くなってしまうと立て直しがきかなくなっている。ボガやミハイラといった新戦力がこの状況を打開することを祈っている。