ローンプレイヤーウォッチング〜メイトランド=ナイルズ編〜 21-22シーズン セリエA 23節 Empoli VS Roma
〜はじめに〜
ローマでのコンスタントな出場機会を得ているナイルズ、中盤のセントラルというわけではないがウィングバックやサイドバックとしての起用がほとんどだ。2022年に入って勝ち星がないエンポリがローマをホームに迎える一戦。縦への意識が強い両チームの試合は得点が多く見れるかなと思ったら想像を超える試合となった。
〜試合概要〜
3-5-2のシステムで戦うローマ。中でも中盤のミキタリアンとクリスタンテとセルジオ・オリベイラの中盤が輝いた前半。セルジオ・オリベイラの縦パス(シュートミス?)がエイブラハムの元に行き、右足を振り抜き先制。33分にエイブラハム、35分にセルジオ・オリベイラ、37分にザニオーロが得点。4分で3得点という電光石火の攻撃を見せた。このまま前半が終了し、サッスオーロ戦の1-5の悪夢再びかというエンポリが盛り返す。前半には見られなかったアグレッシブな姿でローマゴールを襲い、55分にピナモンティがバンディネッリの左サイドからのクロスをトラップ、左足を振り抜きゴールを挙げ、72分にはバイラミのミドルがディフレクションしゴールイン。一気呵成に攻めたが、同点に追いつくまでには至らなかった。エンポリ2-4ローマ。
〜今日のナイルズ(主だったスタッツ)〜
ポジション:左ウィングバック
プレイタイム:60分
シュート数(枠内):1本/1本(100%)
パス本数(成功率):20本/26本(77%)
Key Pass :1本
インターセプト:1回
いつも通りなシンプルなプレイが多かったナイルズ。9分のエンポリの横パスをカットしたシーンのように試合勘を取り戻しつつある印象。周りの選手も彼の特性を理解し出して、チームに溶け込み出している。32分に決定的なシュートシーンもあったのだが、ボールに力がなくゴールとはならなかった。そのプレイで得たコーナーキックで2得点目を取ることができたのでチームに貢献できたかな。1点目も彼が敵を引きつけたところからセルジオ・オリベイラにパスし、エイブラハムのゴールが生まれた。中盤出身の選手らしいサイドチェンジやプレス回避など彼の良さがローマサポーターの方々にも伝わっている気がする。何より楽しそうにプレイしている!ローマの皆さんありがとうございます。1点目の祝福の輪に加わる彼を迎えるローマの選手たちを見ているとグッとくるものがあった。
〜最後に〜
両極な顔を見せたローマ。後半は劣勢に立たされ、かなり厳しい時間が続いたがなんとか逃げ切った。後ろに体重がかかり打たれるのみとなってしまったのは勿体無いが、選手心理として4点取ったらいけるかなとスイッチを切った選手もいてるのではないかな。それは仕方ないことでメンタル面をうまく持っていけば、大丈夫だと思う。
という前置きをした上で前半は本当に本当に素晴らしかった!スモーリングの縦パスからエイブラハムのポストプレイ、ミッキーが前を向き仕上げはザニオーロ。スピード感、パスのウェイト、選手の関わり方。どれをとってもトップレベル。モウリーニョさんのチームになりつつある。中でもセルジオ・オリベイラとミキタリアンの関係性がとても面白い。縦関係を組んだり、横並びになったり。これから時間が経てば相互理解も進むはずだし、いい化学反応が起こってほしい。その二人を支えるクリスタンテも効いていた。その彼のボールカットから2点目の起点となるナイルズのシュートを演出している。ザニオーロにも待望のゴールが生まれいい形でインターナショナルマッチウィークを迎えるローマ。セリエAの後半戦の主役になってもおかしくない!